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ゲームの同人小説です。 シリアス&ほのぼの中心。 更新はかなりスローペース…
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幻水Ⅴ ザハーク*王子
ソルファレナ陥落前夜の逢引。

誓いのキスはお別れのキス。

ザハークが敵になる理由も理解できるし、そんなザハークが好きなのです。

王子の想いも解るし、直向きな王子が愛おしいのです。

信念がある人は素敵。


だからザハーク*王子が好きなのです(…?)









静まり返った室内に二つの影。

長身の影は身動き一つせず。
窓際に立つ小柄な影もまたそれは同じ。

言葉も無く、立ち尽くす。

呼吸の音にさえ怯えているかのような二人。



知っているのだ。

これが『最後』だと。

解っているのだ。

回避する術はないことを。



それでも、この時を引き伸ばそうと、ただ沈黙を守る。

どちらかが『それ』を口に出せば。

それが引き金となる。

お互いの瞳に映る自分の姿。

相手を見つめているのか、己を見つめているのか。

手を伸ばせば触れられるその距離は限りなく遠い。



吐息が空気を震わせる。

長く傍にありすぎた互いの存在は、その心さえ容易に伝えてしまう。





知らなければ良かった。

解らなければ良かった。

知らなければ、解らなければ。

こんな思いで『決別』を覚悟することは無かったのに。





唇を噛み締める。

握り締めた掌に爪が食い込む。

滲む赤。



知っている。

解っている。



おそらく血の繋がった両親よりも長く深く傍にあった。

きっと、誰よりも、何よりも、お互いを知っている。





だからこそ、これが『最後』だとわかる。

止める術は無く、引き止める言葉も無い。

あと一歩の距離が遠い。





温もりを感じ、視線を落とした先。

大きな掌が小柄な掌を包む。

握り締め、血を滲ませるその掌をそっと開かせ、引き寄せる。

傷に触れる、微かな温もり。





伏せた瞳。

寄り添う身体。

唇に、掌に。

残る微かな温もり。





これは誓いだと、己を戒める。

信念を。

忠誠を。

守りたいモノの為に。





月が沈み日が昇る。

星は空に飲み込まれる。

音も無く離れる二人の距離は近く、遠い。





何を失おうとも、決して忘れない。

この掌の誓いを。





END

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