ゲームの同人小説です。
シリアス&ほのぼの中心。
更新はかなりスローペース…
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幻水Ⅱ(もしも坊ちゃんがハイランドにいたら)
ルカ*坊+ジョウイ(ルカは出てきません)
ジョウイは人の子普通の子(ジョウイファンの人すみません)
いやいや、本当に必死に生きている人なんで管理人的には凄いな、と思います。
中々できないでしょ?親友と敵対し、好意を持っていた女性を政治に利用し(愛はあったようだけど)それでも大切な人たちのため(後、自分のため)に世界を変えようとするなんて。
…何故だろう。
所々に滲みだす毒があるような…
何だろうなぁ。
ジョウイって人間だなぁ、と強く感じるんですよね。
弱くて。
卑怯で。
ひたむきで。
優しくて。
悲しくて。
愛しくて。
自分勝手で矛盾だらけ。
ああ、人間だなぁ…
きっと坊ちゃんはそんなジョウイが好きでルカは嫌いなんだと思います(笑)
管理人はジョウイが嫌い(オイ)
でもすごく身近に感じる。
ルカ*坊+ジョウイ(ルカは出てきません)
ジョウイは人の子普通の子(ジョウイファンの人すみません)
いやいや、本当に必死に生きている人なんで管理人的には凄いな、と思います。
中々できないでしょ?親友と敵対し、好意を持っていた女性を政治に利用し(愛はあったようだけど)それでも大切な人たちのため(後、自分のため)に世界を変えようとするなんて。
…何故だろう。
所々に滲みだす毒があるような…
何だろうなぁ。
ジョウイって人間だなぁ、と強く感じるんですよね。
弱くて。
卑怯で。
ひたむきで。
優しくて。
悲しくて。
愛しくて。
自分勝手で矛盾だらけ。
ああ、人間だなぁ…
きっと坊ちゃんはそんなジョウイが好きでルカは嫌いなんだと思います(笑)
管理人はジョウイが嫌い(オイ)
でもすごく身近に感じる。
Ⅲ『小さな牙』
ルカが毛色の変わった子犬を拾ってきた。
暗い瞳の奥に決意の光を湛えた、小さな牙を持つ子犬。
怯えを悟られまいと必死に虚勢を張る姿が微笑ましい。
暖かな日差しが振り注ぐ窓辺の椅子に腰掛け、さりげなく観察してみる。
『ジョウイ・アトレイド』
アトレイド家の長男。
ユニコーン隊の生き残り。
裏切り者。
様々な呼び名で呼ばれる少年は硬い表情で壁際に佇んでいる。
頭の良い少年だ。
頭が良い分だけ余計なことを考える。
そして深みに嵌るのだ。
心の中で迷い、傷つき、探し続ける。
己が考え得る最良の手段を。
ただ頭が良いだけの少年ならば良かったものを。
それを実行に移してしまう程の心の強さなど無ければ。
これから彼が味わうであろう苦しみを考える。
不憫だとは思うが同情する気持ちにはなれない。
自らがそれを選んだのだ。
伴う痛みは享受すべきものだろう。
ふと視線を感じ、顔を上げる。
此方を窺っていた彼と目が合った。
ビクリと震えた細身の身体。
一つにまとめた薄い色素の長い髪が背中で揺れた。
瞳が揺れる。
それでも目線は逸らさない。
成る程、度胸もあるようだ。
思わずクスリと笑みが零れる。
少年の気配が僅かに険しくなった。
馬鹿にされたとでも思ったのだろうか。
相変わらずの無表情は大したものだ。
よほど表情を隠すことに慣れているらしい。
クスクスと零れ続ける笑いに少年が堪りかねたように口を開いた。
「何か?」
繕いきれていない尖った硬い声。
少年の若さが垣間見える。
収まらない笑いを何とか押し込め、素直に謝罪を口にする。
「いや、すまない。怒らせてしまったか?」
笑い過ぎて滲んだ涙を指先で軽く拭い、憮然とした表情の少年に微笑みかけた。
「…怒ってなど」
僅かに俯き視線を逸らした少年に笑みを深くする。
どうやら自分は良い暇つぶしを見つけたようだ。
ルカが敵地から子供を一人連れ帰った。
あの『狂皇子』が殺さずに。
そのあまりに珍しい出来事はあっという間に城中に広まった。
裏切り者の少年を皆、腫れ物に触るように扱った。
信用できるのか。
敵の諜報ではないのか。
しかし、いくら不審が募っても連れ帰ったのがあの狂皇子では誰も意見など出来ない。
下手に逆らえば己の首が飛ぶ。
持て余された少年は質素な部屋に監禁された。
捕虜でもなく、味方でもない少年。
ルカを恐れて誰も近付かない。
おそらく、自分意外は。
「……何か御用でしょうか、ヨミ・マクドール殿」
自分がこの部屋に着てから決して傍によろうとしない少年がどこか不審気に声を掛ける。
そんなに警戒することも無いだろうに。
何もとって食いやしないのだから。
「まあ、とにかく此方に座ってくれないか?そんなに離れていちゃあ話も出来ない」
ヒラヒラと手招きし、前方の椅子を示す。
此処はもともと彼に宛がわれた部屋であって自分はただの来訪者だ。
彼が遠慮する必要は無いのだが。
警戒したまま少年が此方に歩み寄る。
自分はそれほど威圧的な顔をしているのだろうか。
ルカではあるまいし。
ようやく少年、ジョウイ・アトレイドが席に着く。
警戒はいまだ解けない。
「初めまして、ジョウイ。俺のことは知っているようだから自己紹介は省いてもかまわないかな?」
居住まいを正す。
相手が誰であっても最低限の礼儀は尽くす。
ただし、最初だけ。
次からの対応は相手が礼を尽くすに値する人物かどうかで決める。
それが幼い頃からの自分の流儀だった。
「…お会いできて光栄です、マクドール将軍」
硬い表情のままジョウイが答える。
笑顔で世辞を述べられるよりは不快ではないが心にも無い言葉はやはりどこか癪に障る。
「ありがとう。俺も君に会えて光栄だ。だが俺は将軍ではないし、家名よりも名で呼ばれることを好む。君もそうしてくれると嬉しい」
此方を窺う瞳に僅かだか力が込められる。
「…トランの英雄殿を名でお呼びするなど出来ません」
また、心にも無い言葉。
こちらには腹の探り合いに付き合う気はないのだけれど。
「今の俺はルカの所有物だ。まして君はトランの民ではない。俺を英雄と呼び、敬う理由は君には無い」
『所有物』と言う言葉にジョウイが不審気な顔をする。
それほど可笑しなことを言っただろうか。
「…貴方ほどの人が、何故…」
言い難そうに言葉を切るジョウイに薄く笑う。
ああ、そうか。
彼の思う英雄とはそれ程に清廉潔白な人物なのか。
「ルカに従う理由が知りたいか?」
殺戮を好む狂皇子に嘗ての英雄が付従うのがそれほど不思議か。
空気が緊迫する。
それ程緊張せずとも良いものを。
どうやら自分はあまりこの少年に好かれていないらしい。
「…貴方は嘗てトランの民を救うために戦ったはずです。悪しき政策を行い、民を省みない愚王を倒し、国と民を救った。そんな方が、何故…」
「あの人を愚王と呼ぶ権利は君には無い」
冷えた声にジョウイが押し黙る。
確かに事情を知らない他国の民がそう思っても不思議ではないけれど。
実際にそれを目の前で言わせておく気はなかった。
「彼には彼の想いがあった。結果的にそれが国を追い詰め、民を苦しめた。俺は実際に苦行を強いられた民が彼を愚王と呼ぶことには何も言わない。それは彼らの当然の権利だ。だが君は違う。彼らの苦しみを知らない君にその権利は無い」
ジョウイが息を呑む。
空気が張り詰める。
「それと、言っておくが俺は国の為に戦ったことは一度もない」
薄っすらと笑みを浮かべて真実を告げる。
くだらない英雄像なぞ捨ててしまえばいい。
「俺は、俺自身の思うままに戦い、軍を動かした。結果的にそれが解放軍となり、国を変えた。それだけだ」
自分に意思を託した女性がいた。
自分を守り抜き、死んだ仲間がいた。
自分と同じく信念を曲げず、散っていった家族がいた。
数多くの犠牲の上に新しい国が建った。
「俺がルカに付くのは俺自身がそうしたいと思ったからだ。俺が望み、ルカが受け入れた。ルカが望むのであればこの力も使おう。たとえ、それが結果的にこの国を、ルカを滅ぼしても」
淡々と言葉を紡ぐ。
偽りの無い真実と言うわけではないが、おそらくこれが一番本心に近い気持ちだろう。
ルカを失いたくないと思う気持ちは確かにある。
アレの傍は居心地がいいから。
それでも、アレが滅びを願うのなら…
「…多くの血が流れ、悲しみが溢れても貴方はそれを見て見ぬ振りをなさるのですか?貴方にならば皇子を諌める事も出来るのではないのですか?滅ぶ以外に道があるのならば、何故それを成そうとして下さらないのです!?それ程の力があるのに!!」
終始無表情だったジョウイが声を張り上げる。
勢いよく立ち上がり、机に拳を叩きつけた。
弾みで椅子が倒れ、大きな音を立てた。
『それ程の力があるのに!!』
悲鳴のような言葉に笑う。
「力があれば、願いは全て叶うとでも思っていたか?」
「っっ!!」
なんて幼く、純粋な心か。
こんな小さな牙で、あの憎悪の獣に噛み付こうと言うのか。
嘗て、自分にもこんな時代があったのだろうか。
力は正義だと。
力持つ者は決して他者を傷つけない、と。
そんな愚かしくも愛しい心があっただろうか。
「今、ルカが皇王に君の身の振り方を提議している。おそらくルカの意見は通るだろう。君は軍に配属され、戦に出る。精々力を振るうと良い。君自身の望みの為に」
静かに席を立つ。
ジョウイは机に手を付いたまま、俯いて唇を噛んでいる。
「それでも、僕は…」
通り過ぎ様に呻くような彼の声を聞いた。
「…今日は話せてよかった。また話がしたい。君が良ければだが」
振り向かず告げる。
大きく息を吐く音が聞こえた。
「……こちらこそ。みっともないところをお見せしました。お許し下さい」
声が震えている。
感情を必死で抑えようとしているのだろう。
「では、またいずれ。君の行く先に幸多からんことを祈る」
ゆっくりと扉を閉める。
長い回廊をルカの部屋に向かって歩く。
純粋に興味があったのだ。
ルカが殺さずに連れ帰った二人目の人間に。
最初の一人がこの自分なら、ルカは彼に何を見出したのか。
「…成る程、そう言う事か」
彼の目には野望があった。
全身全霊、全てをかけて叶えたい望みがあった。
「お前は己に噛み付く牙がほしかったのか」
どこまでも救い様の無い男だ。
いや、最初から救いなど求めていないのか。
「叶えてやろう。お前の望みを」
だから、その瞬間まで自分を傍に置くといい。
おそらく皇王と顔を合わせた後で最高に機嫌の悪いあいつにそう言って笑ってやろう。
お前が選んだ子犬は、なかなか鋭い牙を持っていそうだ、と。
この日、獣が守護する皇都に新しい獣が誕生した。
小さな牙を持つ子犬。
精々牙を磨くと良い。
いずれお前が食らう獣のために。
End
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