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ゲームの同人小説です。 シリアス&ほのぼの中心。 更新はかなりスローペース…
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幻水Ⅳ(シグルド*Ⅳ主)

いろいろ夢見過ぎ。

叶わない願いがテーマですが、この二人には(と言うかⅣ主に)幸せになって欲しい。





快晴の海を巨大な船が悠々と風をきって進んで行く。
エインヘリヤル軍本拠地船『ユグドラシル号』はイルヤ方面に向けて何事も無く航海を続けていた。
ウルドはいつものようにリーダーとしての勤めを終えると甲板に出て風を浴びていた。
北方に位置するイルヤ付近となると、さすがに風が冷たいが、ウルドは気にすることも無く船の手摺りへとその身を寄せた。
何をするでもなく海を眺めていたウルドの頬に冷たいものがフワリと落ちる。
雨かと思い空を見上げたウルドの顔に白く、フワフワしたものが次から次へと降り掛かる。

「…雪?」

南に位置する群島諸国は常に温暖な気候で、冬でも滅多に、というか全く雪が降らない。
そんな群島で育ったウルドもまた、雪というものを自分の目で見るのは初めての事だった。

「ウルド様、風邪をひきますよ?」

物珍しげに掌を掲げ雪を集めようとするウルドの姿にシグルドが苦笑を浮かべながら上着を差し出す。

「シグルド、これは、雪、ですか?」

すぐに溶けて水に変わってしまう白くて冷たいものを飽きることなく見つめ続ける。

「おそらく風花でしょう。この海域はクールークに最も近い。あの国ではそろそろ雪が降る季節ですから」

上着を受け取ろうともしないウルドの肩にシグルドはフワリとそれを掛けてやる。

「風花…降り積もった雪が風に飛ばされたもの…ですね」

視線を空から外す事も無くウルドがポツリと呟く。
そんなウルドを見つめながら、シグルドが微笑む。

「雪と同じものなのに、風の花、と呼ぶのですから、先人は随分と詩的だったんですね」

シグルドの言葉にもウルドは空から視線を外さない。

「…雪と、どこか違うところがあるんでしょうか?」

ポツリと呟いた声にシグルドは僅かに考え込んで答える。

「そうですね、一度、地上に降り積もった雪と、地上に落ちる前の雪、といった事ぐらいですかね」

ウルドの髪に積もった雪を指先で払いながら、シグルドはウルドを船の中へと促す。

「…いつか……この戦いが終わったら、見に行きましょうか?」

冷え切ったウルドの肩を抱き寄せ、シグルドが耳元で囁く。

「…一緒に、ですか?」

僅かに微笑み、肩に置かれたシグルドの手に自分の手を乗せウルドが尋ねる。

「勿論。嫌だと言われても、御供させて頂きます」

重ねられた手の上に、もう一方の手を重ね、後ろからすっぽりと包み込むように抱き締めたシグルドが嬉しそうに答える。



全てが終わったら、見に行こう。本物の『雪』を。この海には降る事の無いものを。一緒に、見に行こう。


広い、この世界を。


それは、優しくも、残酷な約束。呪われたこの身には過ぎた願い。


それでも…



「そうですね、見に行きましょう、二人で、一緒に…」



偽りの雪よ、願わくば、どうか…


寄り添いあう二人を風花が優しく覆いつくす。この幸せな一時を包み込む様に…





END
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